先日、福岡・博多で開催された「CMS大集合!」というイベントに参加してきました。下関から博多は近いようで、なかなか行く機会がなかったので、久しぶりの博多でした。
このイベントは、Drupal、WordPress、Plone、Craft CMS、Movable Type、microCMS、a-blog cms、baserCMSと、さまざまなCMSのコミュニティが一堂に集まるという、ちょっと珍しい形式のもの。長年Drupalに関わってきた自分にとって、PythonベースのPloneや、Craft CMSといった名前は知っていても詳しく聞いたことがないCMSの話を、開発者やパートナーから直接聞けたのは新鮮でした。日本国内で開発されたmicroCMSやa-blog cmsについても、現場での使われ方や思想を知ることができて、素直に「こんな世界があるのか」と驚きました。
今回のメインテーマは「AIとコンテンツの未来」。個々のセッションも面白かったのですが、特に印象に残ったのは二つの視点でした。
一つは、ミツエーリンクスCTOの藤田さんによるキーノート。「CMSを捨てるか、進化させるか」というタイトルの通り、AIの進化によってCMS自体が不要になるのではないかという、かなりダイナミックな問いかけでした。長年CMSと共に歩んできた方からのこの言葉は、正直、ドキッとしました。
もう一つは、Craft CMSの國分さんのセッション。CMSはAIという「アクセル」に対する「ブレーキ」として存在し続ける、できることではなく「できないことを定義するための檻」になるというメッセージ。これはCMSの存在意義を根本から捉え直す視点で、深く考えさせられました。
さまざまなCMSとAIの連携が紹介されていく中で、やはり多かったのがMCPの話題でした。ChatGPTやClaudeのようなAIツールから、MCPを通じてCMSを操作できるようになるという流れです。これらが順調に進歩していけば、本当にCMSは不要になるのでは、とも思いました。数年後、人々はWordもExcelもCMSも、自分で編集するのではなく、AIに指示して編集してもらう。そんな未来も現実味を帯びてきているように感じます。実際に僕も、スライド生成や文書作成にAIは欠かせない存在になっています。
他方、AIが進歩したらWordやPowerPointが無くなるのかというと、そうでもない気がします。結局、AIが出力したアウトプットを保存したり、受け渡したりするためのツールは「まだ」必要であり、そうした器としてのCMSは存在し続ける可能性があるのではないかと思います。それらが本当に無くなるとしたら、AIが人間の代わりに事務作業をすべてやるようになった時かもしれません。
ただ、最近のAIの進歩を体感している身としては、半年後に僕が今と同じ意見を持っている可能性は限りなく低いと思います。たとえば、「CMSはコンテンツのレビューと承認のために必要だ」という意見も、AIが完璧なプレビュー画面の生成と権限管理をできるようになれば、簡単に覆されてしまいます。
なので、CMSがこの先生き残るために何が必要か。正直、誰にもわからないと思います。ただ一つ言えるのは、Flexibilityの重要性です。時代の変化、需要の変化、技術の変化、そうしたさまざまな変化に対して柔軟に対応できるCMSが、この先必要とされるのではないかなと思います。
個人的かつ希望的観測ですが、Drupalはその点で変化を受け入れる準備があるのではないかと思っています。モジュラー設計、API、細かな権限管理、カスタマイズ性、オープンさ。これらはAIと人間が協調してシステムを構築する上で非常に重要です。
ガチガチに人間の承認を必須とすることもできる。コンテンツの作成から公開、リードの獲得からフォローアップまで、すべてAIエージェントに任せることもできる。そんな柔軟なCMS(それはもはやCMSなのか?)。そういったものが今後必要とされるのではと、個人的に思っています。
CMS大集合!:https://cms.masizime.com